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あきちきのひまつぶし

メーカー系SE2年目の凡人が、技術とかグルメとか旅行とか・・・。

電子情報工学実験Ⅱ 波形変換回路(1)

めも

波形変換回路は、簡単に言えば入力波形を振幅を制限したり(リミッタ)、正・負のピークを切断したりするもの(クリッパ)。基本的にダイオードトランジスタを用いてこれを行う。

ダイオードクリッパ回路はダイオードの位置によって直列と並列に分類されてる。今回の実験はダイオードクリッパ回路の特性や働きについて調べるものである。

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これが直流。e(in)には発振器から一定の波形を入力する。それに対しe(in) > 0の範囲でダイオードは順方向にバイアスされて閉じている状態のスイッチのように動作する。つまり抵抗にe(in)がそのまま現れるのでe(in) = e(out)となる。e(in) < 0の範囲ではダイオードは逆方向にバイアスされて開いたスイッチのように動作する。Rには電流が流れないので両端の電圧は0となりe(out) = 0となる。

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これが並列。e(in) > 0の範囲でダイオードは逆方向にバイアスされて開いたスイッチのように動作する。e(out) = e(in)となる。e(in) < 0ではダイオードは順方向にバイアスされるので閉じたスイッチのように動作する。e(out) = 0となる。

 

ここで抵抗の値は「順バイアスでe(in) = e(out)」「逆バイアスでe(out)=0」を満たす値でなくてはいけないことがわかる。

直流の時(順バイアス)、e(out) = e(in)となるには抵抗はダイオードの順方向抵抗より大きくなくてはいけない。

並列の時(逆バイアス)、e(out) = 0となるには抵抗はダイオードの逆方向抵抗より小さくなくてはいけない。

実際の回路ではR = √(Rf・Rr) として考える(Rfは順方向、Rrは逆方向)。RfはVf / Ifとなり、RrはVr / Irとなることはオームの法則から分かる。

 

ここで下の2つの回路について考えてみる。(抵抗に1kΩと書いてあるけど気にしないように)

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先ほどの説明通りでいくと、e(out)は同じ波形になるはずである。しかし実測結果は同じにはならない。e(in) > 0でe(out) = 0 でe(in) < 0でe(out) = e(in)となるはずである。

実際に下側の回路では正しく結果がでる。しかし上側の回路ではe(in) > 0でe(out) ≠ 0となる。なぜか?それが今回の実験の考えるポイントとなる。

まずはダイオードの電気的特性を考える必要がある。これはほんの1例。

順方向電圧 Vf(max) = 1.2[V] ( If = 100[mA] )

逆方向電流 Ir(max) = 0.5[μA] ( Vr = 80[V] )

ここでオームの法則よりRf = 12[Ω]、Rr = 160[MΩ]と算出できる。そして抵抗はR = 43.8[kΩ]と計算できる。

下側のダイオードは逆方向であり、e(out)は抵抗の電圧となる。逆方向のときに抵抗に流れる電流は

I = 15 / (160 * 10^6 ) = 0.0000・・・ ≒ 0.00[A]

であるので、抵抗にかかる電圧は

V = 0.00 * 43 * 10^3 = 0.00[V]

となる。だからe(in) > 0でe(out) = 0となる。

一方で上側のダイオードは順方向であり、e(out)はダイオードにかかる電圧。この時ダイオードに流れる電流は

I = 15 / (43 * 10^3 ) = 0.34[mA]

であるのでダイオードにかかる電圧は

V = 0.34 * 10^(-3) * 12 = 4.8[mV]

となる、だからe(in) > 0でe(out) ≠ 0となってしまうのだ。

 

順方向の時、たかが100[mA]の電流を流すだけで1.2[V]も出てしまうが逆方向の時は、80[V]もの電圧をかけても0.5[μA]程度しか流れない。つまりそういうこと。今回の実験の考察ポイントはここがキモとなっている。ダイオードの基本的な特性については触れなかったが、それは各自で調べるなり教科書を読むなりしてほしい。

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